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2008年07月19日
[食事]よくかむ
2008年07月19日 15:32 | 手法(食事) , ダイエット手法
「一口食べたら最低20回はかみ砕くこと」。小さいとき何度も祖父や祖母から言い聞かされた言葉である。実際やってみると顎(あご)が疲れ、ご飯もおかずも冷めてしまう。そこまで厳格にかみ続けるのは難しいし非現実的だとしても、振り返って自分の食事の様子を思い返して見て、「ほとんどかまずに飲み込んでいるな」という感想を持った人は少なくないだろう。
満腹感を得るためにというのはもちろんだが、本来食事を採るのは「必要な栄養素を身体に取り込むため」のもの。そう考えると「何もかまなくとも、口から身体にぶち込めば十分」と思うかもしれない。だが、流動食やスープなどでない限り、かめばかむほど消化がされやすくなり、効率の良い食事ができるということにもなる。
かむことは顎の運動にもつながる。そして脳への刺激ももたらす。食事などであまりかまない(つまり柔らかいものばかり食べている)人は、あごが弱くなるだけでなく、脳への刺激も少なくなるので、色々と「駄目になる」とされている(料理別咀嚼回数ガイド(監修 斉藤滋・柳沢幸江)/風人社刊より)。実際、江戸時代の将軍家のお偉いさん(例えば将軍様)の骸骨を見てみると、柔らかいもの、つまり当時としては豪華絢爛なもの、ばかり食べていたせいか、顎の骨の部分が極めて未発達、退化しているものが多かったという話も聞いている(もちろん、例えば八代将軍吉宗などは別だろうが……)。
また、詳しい研究によると、かむことは健康維持に欠かせない顔面の運動となるだけでなく、唾液の分泌を促すことになる。そして唾液は肥満防止だけでなく、味覚の発達、脳の活性化、歯の病気予防、整腸効果、さらにはがん予防にも役立つというのだ。驚くばかりの効力である。
何度もかむことで、疲れると愚痴をこぼす人がいるかもしれないし、面倒だと思う人も多いだろう。食事に割く時間はそんなに多くない、という多忙な人もいると思われる。だが、「早く食べないと自分の採り分がなくなる」という切羽詰った状況の人ならともかく、そうでない場合には、かむ回数を増やすことで同じボリュームの食事を食しても満足感が段違いとなるのは違いない。是非とも「かむ回数を増やす」ことは実践してほしい。
上記参考資料によれば、例えば可食部分10gあたり、ご飯なら41回、はんぺんでも43回、せんべいにいたっては162回も「かむ」ことが望ましいとされている。いきなりこれだけの回数を実践するのは難しいだろうが(せんべいなど、100回もかんだらかむものそのものが口から無くなってしまいそうだ)、あくまでも目標値と考え、「食べる」ことは「かむ」ことであるという認識を頭の中に刷り込むのが一番だろう。
また、食事中に飲み物やスープ、味噌汁などで食べ物を飲み込んでしまうがためにあまりかまないという傾向もあるという話も聞いている。食事中の飲み物がかむ回数を減らしているのだ。例えばごく普通にお茶漬けを食べる様子を想像してほしい。ほとんどかまずに「かっこむ」形での食事スタイルが頭に思い浮かぶだろう。かんでも数回、下手するとまったくかまずに喉へ流し込むことになる。当然、腹には入るが満腹感はほとんど得られず、通常の食事より多めの量を採らないと、普通の食事と同じくらいの満足感は得られない。ダイエットをしたいのなら、こんな食べ方はまったくもってけしからんということになる。(もちろん、「お茶漬け」という食べ物そのものが悪だと断じているわけではない)
[まとめ]
・意識的に良くかんで物を食べるようにする。身体にも良いしダイエットにもプラスとなる。
[自分の場合]
「お茶漬け」や俗に言う「ねこまんま」(説明すると味噌汁ぶっかけご飯)は大好きだったが、入院してからはまったく食べられなくなった。かむこと云々の前に、塩分の調整が必要なため、これらの食品には手を出せなくなってしまったのだ。ちょっと調べれば分かるが、一般販売されている「お茶漬けの素」や「味噌汁」の類は、塩分が大変多い。食べられないこともないが、もし食べたら一日のうち残りの二食は断食に近い状態となってしまう。非現実的である。
振り返ってみると、「コレイ」(コンビニ弁当、レトルト、インスタント)にも柔らかいものが多いのがわかる。これらをできるだけ避けねばならなくなった自分の食事事情は、自然のうちに身体の状態の改善、ダイエットにもプラスに働いたということになる。柔らかいものすべて悪、というわけではないが、何度もかむことで少ない量でも十分な満足感を得、肥満防止・ダイエットだけでなくさまざまな点で身体を健康にしてくれるのだ。これは利用しないわけにはいかないだろう。
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