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[35]1月1日(土)。入院32日目。体重81.3kg。(第四章:1月1日〜1月10日・「めでたさも中くらいかなお正月」)

| 入院編

年明けも当然ながら病院の中で。恐らくこんなことは二度と無いだろう。そういう意味では貴重な体験をしているんだな、と自分に言い聞かせる。そうでもしないと物悲しくなる。1階の売店も正月三が日は休みで、新聞すら買う事が出来ない。テレビもくだらない番組ばかりで見るつもりもなく、今まで以上に静養する必要がありそうだ。正月そのものはめでたいが、病院の中だけに「めでたさも中くらいかなお正月」と一句詠む。

朝食。ご飯、吸い物、大根おろし、黒豆、伊達巻など。おせち料理をイメージさせるメニュー。とはいえ、おせち料理そのものの由来を考えると、食事後すぐに回収される病院食にはマッチしないような気も。

検査時に多少高いといわれていた血圧だが、やはり問題が無いわけではなく、今日から血圧を下げる薬が追加投与されることになった。副作用の一つとして身体が少々熱っぽくなるかもしれないと言われたが、先日から感じている倦怠感とも相まって、少々ほてり気味。

隣のK氏は相変わらず「煙草吸いたい」の独り言を繰り返している。愚痴りたいのは分かるが、壊れたレコードプレイヤーのように繰り返すのはやめて欲しいものだ。

昼食。ご飯、魚煮込み、もろきゅう、栗きんとん、じゃがいも煮込み。

けだるさが続く。風邪を引いてはいけないと、ベッドで横になっているだけではなく必死に昼寝を続けていたら、かえって寝すぎで眠れなくなる。本を読み続けるのも疲れるし、テレビもつまらない番組ばかり。ただ外や天井を眺め、時間を過ごす。

夕食はご飯、さわら風ステーキ(引き鶏肉を固めてハンバーグ状にしたもの)、ブロッコリーとミニトマトのサラダ、さといもとごぼうとにんじんなどの煮込み、パパイヤ。

感染症予防にマスクをつけるのが常となったが、マスクの内側、口にあてる部分にはさむガーゼが汚くなったので、看護師に頼んで予備をもらう。山ほどもらったのでしばらくは持つだろう。

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