入院中に「退院したらこういうことをやりたい」とまとめたチェックリストの中の一つに「ガーデニング」、というより「えせファーマー」がある。新しい趣味を持つことで、生活の質の向上を図るという目的もあるし、がらがらのベランダの活用法を前から考えていたことも理由の一つ。
幼少時は喘息で身体が弱かったこともあり、体力をつけるためにと親はよく自分を畑仕事に連れて行ってくれた。ねぎやとうもろこしの収穫を手伝ったり、実家では田植えや稲刈りもした。その時の経験に懐かしさのエッセンスがふりかけられ、魅力的なものに思えたのかもしれない。
色々いっぺんに手をつけるとろくなことがないので、とりあえず元手がほとんど不要で情報も容易に入手出来るものから始めることにした。まずは大根。食事療養で多用するようになった大根を、根と葉の部分を両方少しずつ残して切り取り、根の部分を総菜屋で使うプラケースに入れて水につける。大根は元々生命力が強いことで知られている。期待通り、数日経つと葉の中央部から新しい葉が出て、その後も順調に成長している。十分に葉が伸びたものから、ペットボトルや紙パックで作った専用のケースに土を入れたものに移し変え、さらなる成長に期待する。
正直、通常の大根の生長期間からはずれているし、種から育てるならともかく根と葉の部分から育てる方法は聞いた事がない。ネット上にも記載がない。どこまで育つかは疑問だが、試してみる価値はあると思う。実際、今のところ一つ腐れたのを除き、植え替えた大根はほぼすべてが葉の緑が濃くなり、順調に育っているようだ。見ているだけで楽しくなってくる。根の成長が無くとも、葉の部分が育てばそれで満足。大根の葉は炒め物に使うととても美味しくいただけるのだ。
同じように、生命力が強いことで知られている小松菜も、似たように「水付け」「土への植え替え」にチャレンジ中。もっともこちらの場合には、プランターを揃える必要があり、少々出費してしまった。成長も大根と比べると遅く、どのような結果が出るのかまだ不明。少なくとも水付けの段階ではそれなりに葉が出ているようだが。
※サイト再構築の2009年1月時点では、自家菜園は休業状態です。