退院後の、自宅療養も含めた療養生活。入院中に一番気になっていたのは「たんぱく質や塩分などの食事制限にどう対応するか」だった。これまでの食生活をそのまま続けるのは不可能。種類をそのままにして分量を減らして対応するのも無理がある。入院中の体質改善や体重の減少で、食欲そのものは前より減ったはずだが、何もせずにもお腹が減るのは生き物としての性(さが)。むしろ食生活を「愉しむ」くらいの気持ちで生活する必要があるだろう。
退院前に栄養士から受けた食事に関するガイダンスや主治医の話をまとめると、自分に与えられた制限としては「主食のパンやご飯は通常食でかまわない」「たんぱく質は極端に採らなければ問題ない」「塩分は日本人の平均摂取量の半分程度」ということになる。もちろん具体的な目標値も教えてもらったが、ここでは伏せておく。また、アルコールは(現状では)厳禁、コーヒーなど刺激の強いものや外食、インスタント食品なども出来るだけ避ける(塩分が多いから)などなど細かい点も注意された。
他サイトでのネフローゼの闘病者と比べればまだまだ制限が軽い方だというのが、自分の指示された数値を見る限りでは実感出来る。病状が進展している人の中には、一日あたりたんぱく質が20〜30g、塩分が3g前後と、それぞれ自分の半分程度でしかないという人もいる。よほど工夫しないと味気のない食生活を送らざるを得ず、「質の高い生活」には欠かせない「潤いのある食生活」も難しいものになる。
ダイエット向けのカロリー制限食はごく普通の店でも販売しているし、一般食品の一カテゴリーとして立派に普及している。また、塩分控えめの食品も最近では普及しているが、それでもまだ食事療養の身にしてみれば十分な軽減量ではない。たんぱく質云々については無いに等しい。やはり既存の食品だけでやりくりするのは少々難しそうだ。
従って、栄養成分調整食品を専門に取り扱うお店を探すか、通販で購入するしか手立てが無い。その点、インターネットが普及して手軽にそのような食品が買えるようになったのは、非常にありがたい。
入院時に栄養士から推薦されたのは、【ヘルシーネットワーク】という通販会社だった。在宅で食事療法をしている人向けに栄養成分調整食品の宅配を行う会社。基本的にここから購入するには事前に医師などの指導を受けることが必要になる(会員登録の際に必要)。
ヘルシーネットワークでは取扱商品のカタログも用意されている。読んでいるだけで楽しくなってくるのは、やはり食に関する欲求が強いからだろうか。もちろん値段は通常の食品より高めだが、必要性や特殊性を考えれば、妥協すべきだろう。
ネット上を検索すれば、ヘルシーネットワーク以外にも総合的に栄養成分調整食品を取り扱っているネットショップや、お弁当屋さん、パン屋さんなどを見つけることが出来る。