入院生活は一ヶ月半ほど続いた。年末年始のせいもあるのかもしれないが、お見舞いに来た人はあまりいなかった。身内では親と妹、それ以外では友人のM氏くらい。事前に入院先などを伝えてはいたが、会社からは一人もお見舞いに来なかった。忙しい、というのはあるだろうけど、それにしても少々悲しさを覚えたのは否定できない。逆に、お見舞いに来た人へのありがたさをますますありがたく感じるようになった。
退院後、まず最初にしたことはお見舞いに来た人への退院内祝い。何しろ入院したのが初めてだから退院したのも初めて。勝手が分からずネットで調べ、通販のサイトを使って内祝い用の選択をした上で手続きをする。文言をどうするかさっぱり分からなかったが、これもネット上のサイトにて検索して問題解決。やはりネットは素晴らしい。内容についてはそれぞれの送り先のことを考え、出来るだけマッチしたものを選んで送るようにした。こちらの意図を汲んでくれればありがたいし、気持ちを込めることこそが贈り物の本当の存在価値だと思う。
知人のM氏とはもちろんこれまで以上に良い親友関係になったし、ついつい疎遠になっていた実家の親や妹とも、今回の件でよりを戻した形となった。実家からは身体を心配してちょくちょく電話での連絡は来るし、自家製の蜂蜜なども送ってくる。妹からはバレンタインデーの贈り物も届いた。身体の事を気づかい、チョコではなくタオルセットだった。その気持ちが分かったとき、ちょっと涙してしまった。少し涙もろくなったのかもしれない。
お見舞いに来てくれたから云々というわけだけではないが、自分が危地に陥ったときに親身になってくれる人、そういう人たちこそ大事にすべきだなと考えはあながち間違っていないと思う。A friend in need is a friend indeed.(まさかの時の友は真の友)という言葉もあるわけだから。