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2008年06月01日
オイルマネーについて
2008年06月01日 13:57 | 解説・ニュース
オイルマネー(Oil Money)と言っても石油をそのまま貨幣に用いているわけではない。石油の売り上げによる利益で蓄積された資本・資金のことを指し、言い換えれば「産油国の資金」を意味する。現在にいたるまで中東諸国は自国の通貨レートをドルに連動させる為替政策(ドルベック制)を導入しているため、オイルダラー(Oli Dollar)とも呼ばれている。また、石油産出によって多くの資金を得た国のほとんどはOPECなどの中東諸国のため、「アラブダラー」「アラブマネー」と呼ばれることもある。例えばロシアも石油産出により大きな資金を得ているが、それを「オイルマネー」と呼ぶことはあまりない。
なおこれらはすべて和製英語であり、正式な英語表記はペトロダラー(Petrodollar、石油を意味するペトロリアムとドルを意味するダラーの合成語)である。
オイルマネーという言い回しは1970年代のオイルショックで石油が高騰し、中東諸国の発言力と資金力が高まった際に生じたといわれている。その後石油価格が低迷して産油国の資金力も低下したため、オイルマネーのパワーも減退している。
しかし21世紀に入ってから人口増加や新興国の工業化で石油の需要が増えたこと、投資資金の流動性の問題から商品先物市場の価格が高騰したこと、さらにはサブプライムローン問題で株式市場の投機資金が先物市場に流入して過度な流動性を生じたことで石油の価格は高騰。石油産出国は再び多額の「オイルマネー」を得ることになった。
オイルマネーは(中東国家は特に)政府管理下におかれた石油によって生み出されるため、当然資金も政府管轄下となる。これらを運用するのがSWFで、それらは政治的・宗教的な制約を受けることもしばしばある。
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