「徳」とは?

「徳」とは、つまり「人徳」の事であり、
ウルティマシリーズで語られる人間に必要とされる精神です。

それは次の8つ、
慈悲、誠実、武勇、正義、名誉、献身、霊性、謙譲 であり、
ウルティマ W ではこれらの徳を極め、
「聖者アバタール」となる事が最終目標となっていました。
そしてその後のウルティマシリーズでもその思想は基本テーマとなり、
UO にも8つの徳の神殿がブリタニアの各地に設置されています。

その8つの徳の概要は以下の通りです。

慈悲。ハートのシンボルで現される。
人に対する優しさであり、無条件で他人を気遣う気持ちである。
武勇。剣のシンボルで現される。
悪に立ち向かう勇気であり、困難に打ち勝つ姿勢である。
誠実。開いた手のひらのシンボルで現される。
正直に生きる姿勢であり、人を騙したり欺いてはならない。
献身。涙のシンボルで表される。
他人を助けるために自らを捧げる勇気である。
名誉。聖杯のシンボルで現される。
誓いを大切にする事であり、正しいと思う事を貫く精神である。
正義。天秤のシンボルで現される。
公正さとも言い、平等で公平であろうとする姿勢である。
霊性。アンクのシンボルで現される。
崇高さ、清らかさとも言い、自らの魂を磨こうとする精神である。
謙譲。羊飼いの杖のシンボルで現される。
人に自慢したりする事なく、奢らず質素を旨とする姿勢である。

そして、これらの「徳」の元となる、3つの「徳の原理」があります。
ウルティマではその組み合わせで徳を考えており、
その原理は以下の通りです。

。 慈悲、献身、霊性の元となる。
シンボル「愛のロウソク」が Yew のエンパスアビー修道院に安置されている。
勇気。 武勇、名誉、霊性の元となる。
シンボル「勇気の鐘」が Serpent's Hold の城に安置されている。
真実。 誠実、正義、霊性の元となる。
シンボル「真実の本」が Moonglow のライキューム図書館に保管されている。


この3つの原理のうち、
から 慈悲 が、
勇気 から 武勇 が、
真実 から 誠実 が、
勇気 から 献身 が、
勇気真実 から 名誉 が、
真実 から 正義 が、
勇気真実 から 霊性 が、
そして原理と関わらない所で 謙譲 が、

生まれるとされます。

徳のシステムのアイコン、
および徳システムのウィンドウの中央にある魔法陣の様なマークは、
この8つの徳と3つの原理の関係を表しているのです。


さらにそれぞれの徳には、象徴となる色、対応するブリタニアの街、
対応する職業、相対するダンジョン、呪文となるマントラがあります。

これらを表にすると以下の様になります。

職業 相対のダンジョン マントラ
慈悲 ブリティン 吟遊詩人 Despise(軽蔑) MU
武勇 ジェローム 戦士 Destard(卑怯) RA
誠実 ムーングロウ 魔術師 Deceit(虚偽) AHM
献身 オレンジ ミノック 鍛冶屋 Covetous(貪欲) CAH
名誉 トリンシック 騎士 Shame(恥辱) SUMM
正義 ユー ドルイド僧 Wrong(不正) BEH
霊性 スカラブレイ レンジャー (Abyss) OM
謙譲 ニューマジンシア 羊飼い (Hythloth)(傲慢) LUM

(UOのマジンシアはプライドを重んじる貴族の街で、謙譲の街ではありません)
(本家の Ultima では この街は傲慢と虚栄によって滅び、)
(謙譲を重んじる羊飼い達によってニューマジンシアとして再建されています)
(UOでは、街の位置と風景、また謙譲の徳のシステムが初心者を助けるものであるため、)
(初心者の街ヘイブン(及びオクロ)が謙譲の街に近い感じです)

(また、Hythloth は作品によって相対となるダンジョンが異なります)
(上記の表では Abyss(アビス) を相対としていますが、作品によっては 霊性の相対(物欲)である場合もあります)


徳の精神がその背後にあった事により、
ウルティマ・シリーズは他のゲームには真似できない、
非常に奥深い設定を持つことが出来ました。

もちろん、「徳」を追い求めるかどうかはプレイヤーの自由であり、
徳の原理を知らなくてもプレイには何の支障もありません。
しかし、それを知り追い求める事によって、
ウルティマの持つ深いゲーム性を理解する事が出来るでしょう。



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