皇帝 Golmor の舞台裏?
(注釈)
この日記は 1999年7月に当時あった全ての日本シャードで発生した大イベント「皇帝 Golmor」の感想や様子を、その当時に書いたものです。
このイベントのシナリオは、「イベント紹介所」の「皇帝 Golmor」のところを見てください。
ノストラダムスの大予言を模したこのイベントは日本シャードはもちろん、UO 自体においても最大規模のイベントでしたが、初の大イベントだったこともあって色々とトラブルもありました。
おかげでシャードごとに展開が違ったりしていて、GM の苦労が伺えますね。^^;

・双子の将軍イベント (皇帝 Golmor イベント 1999年6月)

皇帝 Golmor のイベントがそろそろ佳境に入っています。
先日発生した双子の将軍のイベントは、サーバー毎に展開がかなり違いました。
ここではそれを紹介しようと思います。

・Wakoku
最初にイベントが発生したのはここでした。
しかし最初だったため、これが大型イベントの一部であるというのを知っている人はいない訳で、ほとんどの人がダンジョンに溢れたモンスターを退治しただけで終わったようです。

イベントのキーとなる緑色のボス、クレイモンスターは Shame に現れ、倒したときに手に入る鍵で奥にある宝箱を開けると情報が手に入る仕組みになっていました。
それと Shame に現れた NPC にから得られる情報と組み合わせ、双子の将軍の元へ行くためのキーワードを推理する形になっていたようですが、さすがにここまで理解して、謎を解いた人はほんの一握りだったようです。

双子の将軍へのテレポーターは Yew に現れ(タウンクライヤーが告げました)、そこから Covetous のボスの部屋に移動したという事です。

・Yamato
Wakoku の2日後に発生しました。
イベントの内容は Wakoku とほぼ同じです。
まだイベントの事を知っている人が少なかったため謎を解いた人は少なかったようですが、大型イベントである事を知っていた人も多く、謎を追っていた人も結構いたようです。

クレイモンスターの鍵で開ける宝箱の情報、NPCにキーワードを言う事によって得られる情報を元に、「Hail Golmor」のキーワードを得る仕組みになっていました。
その後、タウンクライヤーが Trinsic の西の魔法屋に双子の将軍の部屋へのテレポーターがある事を告げたため、多くのPCが大挙してここに訪れたようです。
が、各種エレメンタルなどのモンスターも現れ、大乱戦となったようです。
しかしイベントを追い「Hail Golmor」のキーワードを得ていた人は少数で、多くの人はそこで立ち往生となったようですね。
謎を解きキーワードを得ていた人達だけが、将軍との戦いを繰り広げたようです。

・Hokuto
Yamato でイベントがあってから、1週間ほど後に発生しました。
どうやらとんでもない事になってたようです。

聞いた話なのですが・・・
双子の将軍はこの日も Covetous の奥の部屋に出現する予定になっていました。
で、GMは将軍になってその場に登場します。
しかし、タイミングが悪かったのか、それとも単にミスったのか知りませんが、この部屋をボスの部屋として封鎖する前に、そこにプレイヤーの一団が乱入!
戦闘状態に突入し、なんとそのまま将軍はBSに取り囲まれ、死んでしまったそうです!
ところが連絡がうまくいってなかったのか、イベントはそのままスタート!
タウンクライヤーが叫び Despise にモンスターが現れますが、すでにボスが死んでるのでその後の進展は結局なし。 ・・・で、終わり。^^;
うーん・・・ まあこう言うのも、ネットゲームならではで良いかもね。

・Asuka
最後は Asuka。Hokuto の数日後に発生しました。
最後だけあってか、それとも前回の Hokuto で失敗したからか、趣向に変化があって更に凝ったものになっていたようです。

Despise にモンスターが現れ、NPCやクレイモンスターの宝箱などから情報を得るのは同じなのですが、その後、将軍が現れた Wrong はモンスターに制圧されてしまいます。
そして、将軍の部屋へのテレポーターが Chaos神殿にある事が解り、例の「Hail Golmor」でワープするのですが・・・
移動する先はボス部屋ではなく、古代竜のいる閉鎖空間!
そして看板には「弱き者は去れ!」の文字。
中ボスの古代竜を倒さないと先に進めなくなっていました。
その後、古代竜を打倒したプレイヤー達とボスとの死闘が繰り広げられたそうです。

・・・という感じで、同じイベントでも各サーバーでかなり違った展開があったようです。
それぞれに個性があっていいですね。
皇帝のイベントも、どうなるのか楽しみです。


・皇帝 Golmor の登場 (皇帝 Golmor イベント 1999年7月)

ついに長期のキャンペーンイベント「皇帝 Golmor」が各シャードで終了しました。
みなさんは Golmor や 4将軍と対面する事が出来たでしょうか?

双子の将軍の時もそうだったのですが、最後の Golmor の最終イベントも、各サーバーによってその展開がかなり違いました。
今日はここで、その違いを説明してみたいと思います。

・WAKOKU
最初に発生したのはこのシャードでした。
最初の発生だったため、もちろんスタート時点ではイベントの展開や攻略法を誰も知りません。
タウンクライヤーの情報でブリティン墓地の火時計とユーのカウンセラーホール前の血のアンクの場所はすぐに見つかったようですが、塔へ行くためのキーワードは4つのうち3つがハズレだったため混乱はあった様です。
しかしすぐに正解のキーワードが知れ渡り、多くの人が一斉に血のアンクでキーワードを使い、オズボーンの塔へとワープしました。

ところが・・・ 多くの人が一斉にオズボーンの塔へワープしたために、塔の中はプレイヤーでぎゅうぎゅう詰め! 当然ものすごい激重状態になってしまいます。 
それはもう、喋った言葉が2分後に表示されるとか、1歩歩くのに5分かかるとか、そういうすさまじい状態になってしまいました。
もちろんこの人数によって、ユー・ミノックの地域サーバー自体も負荷によって激重になってしまいます。
さらに、塔の中ではハズレのテレポーターを踏むと街に戻ってしまうため、その人は再び最初の塔に戻る事になり、それも最初の塔の混雑原因になっていたようです。

しかし、少数のいち早くキーワードの謎を解いたプレイヤーは重くなる前に先行してオズボーンを倒し塔を攻略。
ぎゅうぎゅう詰めのオズボーンの塔以外はプレイヤーが少なくそれほど重くなかったので、次々と先へ進んで行き、そしてそのままGolmor を打倒する事に成功したようです。
結果として、大多数の人はラグで最初の塔から動けず、一部の先行グループが先にイベントを進行させて行った形になったようです。

・YAMATO
WAKOKU の次はこのシャードでした。
ここは最もイベントがスムーズに進行していったシャードでした。
キーワードは異なっていましたが、基本的なイベントの進行は全く WAKOKU と同じです。
(火時計の場所だけ、ブリティン墓地から中央ゲート上に移動しました)
WAKOKU と同じく正解のキーワードが判明すると、大勢の人がユーの血のアンクからオズボーンの塔に移動しようとします。

ところが、血のアンクからオズボーンの塔への移動に制限が加えられました。
塔へ移動できなくなったり、時間が経つと再び移動できるようになったりしました。
これにより塔の中の人数が制限され、その分 WAKOKU よりもラグが軽減されていた様です。
ただ、移動できなかった人は血のアンク周辺で固まります。
オズボーンの塔も血のアンクのある場所も同じ ユー・ミノック サーバーにあったため、結局この地域のサーバーはやはり負荷によって重いままだったようです。

しかし、先行プレイヤーの活躍で4将軍は倒されていき、イベントは詰まる事もなく順調に進行していきました。
間違ったテレポーターで街に戻される事も WAKOKU の情報によってプレイヤーに知れ渡っていたので、これも進行が早かった原因かもしれません。
結果として、Golmor は 約1時間半ほどで撃破されました。

・ASUKA
様々な要因が重なり、最も悪い状態になってしまったのがこのサーバーです。
キーワードが別のものになり、火時計がムーングロウのライキュームに移動しただけで、基本的な流れは WAKOKU、YAMATO と同じでした。
すでに発生しているシャードの情報により、プレイヤーは早いうちからユーに集まっていました。
そして正解のキーワードが判明すると同時に、大挙してプレイヤーがオズボーンの塔にワープします。 塔は瞬時にラグで固まります。
しかし、他のシャードなら、人数の少ないうちに塔に来た先行グループが次々と塔を攻略していきました。
ですが ASUKA のオズボーンの塔には2Fに新たなトラップが設置されていました。
それは2つあるテレポーターの両方がダミーで、正解は壁にある隠し扉、という裏をかいたものでした。
先行した人はこの罠に引っかかって戻されてしまい、さらに後から来た人もこのポイントの答えを発見できなかったため、ASUKA には先行グループが存在しない状況になってしまいます。
その結果、この罠によってみんなこの塔の上に進む事ができず、団子状態となります。

YAMATO のように血のアンクからの移動制限はされましたが、その時にはすでに塔は WAKOKU 以上のすさまじい超ラグ状態になっていましまいました。
加えて塔へ移動できない人がユーの血のアンク周辺に固まり、オズボーンの塔も同じユー・ミノックサーバーにあることから、この地域サーバー自体も負荷によってさらに重くなります。

隠し扉の罠はその後なんとか発見されましたが、先行グループがいなかったため、まだボスのオズボーンが生きています。
このラグの中でボスを倒す事はまず不可能であり、ますますこの場所でプレイヤーはハマってしまいます!
実にこのハマリ時間は深夜2時を過ぎるまで続きました。 この時間は、YAMATO ではすでに Golmor が倒され、全てのイベントが終わっている時間です。
深夜2時を過ぎた頃、GMが塔の壁に通路を作りテレポーターや隠し扉を使わなくても上に上がれるようにし、塔内のプレイヤーを BAN(追い出し)し始め、更にオズボーンのHPを無理やり0にして殺し、そうしてやっとイベントは先に進行し始めました。
しかし、全てのプレイヤーがまとめて移動する形になったので、その後の塔や砦も非常に重いままでした。

結局、イベントが終わった頃には深夜4時近くになっていました。
そしてイベント終了後、プレイヤーが大挙してブリティンのカウンセラーホールにいる常駐カウンセラーに文句を言いに行ったため、GMがここに姿をあらわし、やってきたプレイヤーの愚痴をずっと聞いていたそうです・・・
GMもいろいろ大変ですねぇ・・・(^^;

・HOKUTO
ASUKAシャードでのイベントがかなりマズイな結果になってしまったためか、HOKUTOシャード でのイベントは大幅に変更されました。
まず、血のアンクがユーではなくダスタードに置かれ、キーワードを持つNPCも各地のダンジョンに配置されました。
ダンジョンは別サーバーですから、これによって地域サーバーの負荷を軽減したのでしょう。
また、ダスタードには多数のドラゴンが出現し、まずここを突破しないと塔にいけなくなっていました。

そして、他のサーバーではキーワードは4つのうち3つは偽物でしたが、ここでは4つ全てが正解となりました。
そして、使ったキーワードによって移動先がそれぞれ別の将軍のいる塔になっていました。
これにより、それぞれの塔へプレイヤーが分散されるため、ラグが他サーバーに比べかなり軽減されていたようです。
さらに、塔を順番に進むのではなく、塔のボスを倒すと石碑が現れ、そこで2文字のキーワードの一部を知る事が出来るようになっていました。
この入手した文字を順番に並べると新たなキーワードができ、それを使うと最後の砦へ向かうことができるという仕組みになっていて、このシステムの為に自然とIRCなどでプレイヤー同士が協力し合う感じとなりました。
これらの変更点は非常に効果的に機能していて、すごく良かったと思います。
ただ、砦への正解のキーワードが判明した時点でプレイヤーが一斉に砦へとワープしたため、砦はすさまじいラグにみまわれてしまったようです。

しかし、キーワードは「DEVILISH」というもので、3つ確認された時点で「**VILISH」までが判明していました。
ですから、全てを確認することなく「**VILISH」から「DEVILISH」を連想したプレイヤーがいち早く砦に侵入し、Golmor の元に到達したようです。
砦から Golmor の部屋へは人数制限がされていたようです。
そのため、砦の深部まで苦労して移動しても、それ以上進めない人が多かったようです。
しかしその分、皇帝 Golmor はそれに相応しい強さを存分に発揮していました。

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・・・というような感じです。
双子の将軍の時もそうだったのですが、イベントが重ねられるにつれ、前のシャードで起こった問題を解決していってますね。
最終的には、やはり最後の HOKUTO が1番よかったと思います。

あと、変わっていた点として、ASUKA ではイベント前にタウンクライヤーが
「今日は暑いねー。なんか飲みたいねー」とかなんとか言い出し、そしてその後、
「ダンジョンキーパー2は 7/30 に発売です!」とか言いだしました。
おそらくイベント準備中にGMが流したジョークのような物だと思うのですが、みんなイベントを今か今かと待っていたので、「そんなもんいいからイベント始めろ!」 「ダンジョンキーパーなんて知るか!」 「買わん!」とか言ってみんな怒ってました。
でもこれはこれで、個人的にはすごく笑えたけど。(^^;

全体としては、ちょっとUOの限界を見たような気がします。
多人数ネットプレイが売りのゲームですが、やはりあそこまでいくと現在の通信
システムやハードウェアでは処理しきれませんね。
しかし不具合もあったにせよ、素晴らしいものだったと思います。
規模的にも参加人数的にも、海外の FoA イベントをこえた、UO史上最大のイベントだった事は間違いないでしょう。
参加したプレイヤーのみなさん、プロデュースしたGMの方々、本当にお疲れ様でした。