The daily journal of Grimmoch Drummel
Grimmoch Drummel
(日本語訳:アレック)
(完全な直訳ではありませんのでご了承下さい)
Day 1
‘Tis a grand sight, this primeval tomb,
I agree with Tavara on that.
And we’ve a good crew here, they’ve strong
backs and a good attitude.
I’m a bit concerned by those that worked
as guides for us, however.
All seemed well enough until we revealed
the immense stone doors of the tomb structure
itself.
Seemed to send a shiver up their spines and
get them all stirred up with whispering.
I’ll watch the lot of them with a close
eye, but I’m confident we won’t have any
real problems on the dig.
I’m especially proud to see Thomas standing
out - he was a good hire, despite the warnings
from his previous employers.
He’s drummed up the workers into a furious
pace - we’ve nearly halved the estimate
on the timeline for excavating the Tomb’s
entrance.
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<1日目>
この古代遺跡の荘厳な外観の素晴らしさについては、俺もTevera先生と全く同じ意見だ。
今回の発掘調査についてだが、俺達は素晴らしい仲間達を得ることが出来たと思う。
どいうこもいつもしっかりした訓練と真面目な態度を身につけた有能な男達ばかりだ!
ただ、1つだけ不満な点を挙げるとするならば、ガイドの役割を果たせるような現地の情報に詳しい男がいないのが、俺としては不安だが。
・・・速くも俺の予感が的中した。
・・・ったく、墓の入り口のでっかい石の門が完全に掘り起こされるまでは、ほとんど順調に来ていたんだが・・・。
連中、何を思ったのか、大昔の墓を目の前にして不安そうな顔でひそひそささやき始めたんだ。
俺はどうしたもんかと考えを巡らせたさ・・・・
でもな、そんな心配なんて最初からする必要なんかなかった。
ここに集まった優秀な男達の中でも、俺は特に
Thomas のことを誇りに思う。
奴の前の雇い主から警告されはしたが、それでも奴を雇ってよかったと思っている。
たしかに高いギャラを取るだけあって、彼はとびっきり有能な男だ。
Thomas が男達を景気づけてくれたお陰で、発掘作業は猛烈なスピードで進んでいる。
この調子なら、明日までには墓の入り口を塞いでいる瓦礫を完全にどかすことが出来るだろう。
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Day 2
We managed to dig out the last of the remaining
rubble today, revealing the entirety of the
giant stone doors that sealed of Khal Ankur
and his folk up ages ago.
Actually getting them open was another matter
altogether, however.
As the workers set to the task with picks
and crowbars, I could have sworn I saw Lysander
Gathenwale fiddling with something in that
musty old tome of his.
I’ve no great knowledge of things magical,
but the way his hand moved over that book,
and the look of concentration on his face
as he whispered something to himself looked
like every description of an incantation
I’ve ever heard.
The strange thing is, this set of doors that
an entire crew of excavators was laboring
over for hours, right when Gathenwale finishes
with his mumbling... well, I swore the doors
just gave open at the exact moment he spoke
his last bit of whisper and shut the tome
tight in his hands.
When he looked up, it was almost as if he
was expecting the doors to be open, rather
than shocked that they’d finally given way.
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<2日目>
今日、俺達はとうとう入り口の上にのしかかっていた瓦礫の山の最後の一つを運び終わった。
この巨大な石の門の全容が露わになったってことは、長い間眠り続けてきた
Khal Ankur と彼の信奉者達の封印が、俺達の手によって解かれたということを意味するだろう。
・・・だが、この石の扉の封印を解くためには、実は、もう一つ別な手順を取らねばならなかった。
扉には強力な魔法の結界が張り巡らされているらしい。
大の男達が束になってその門を押しても、その2枚の石の板がこそりとも動くことはなかったのだ。
男達につるはしとバールを置かせて休息を取らせると、俺は
Lysander を呼んだ。
Lysanderは扉の前に立つと、古めかしい魔法書を取り出し、奇妙な印をきりながら聞いたこともない言葉で何事かを唱えだした。
・・・俺は魔法に関してはそれほど詳しいわけではない。
だが、彼の本の上を走らせるその手の仕草、集中した面もちで唱えるその意味不明な言葉は、まさに小さい頃読んだ絵本や、祖父母の昔話に聞いた昔話に出てくる魔法使いのそれそのものだったよ。
そして、信じられない、だが驚くべき事に、俺達発掘メンバーが何時間にも及んで押したり引いたりしても開かなかったそのドアは、Lysanderが静かに詠唱を終えたとき・・・そう、まさに彼が呪文の最後の一節を唱え終わり、古びた魔法書をパタンと閉じたすぐ次の瞬間、ひとりでに左右に開いたんだ!
その扉が開いたとき、俺はあいつの顔をかいま見た。
あいつは自分の呪文で扉が開いたということに感動していると言うよりは・・・
まるで扉が開くことを楽しみに待っていた・・・ そんな感じの表情だった。
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Day 3-5
I might have written too hastily in my first
entry - this place doesn’t seem too bent
on giving up any secrets.
Though the main antechamber is open to us,
the main exit hall is blocked by yet another
pile of rubble.
Doesn’t look a bit like anything caused
by a quake or instability in the stonework...
I swear it looks as if someone actually piled
the stones up themselves, some time after
the tomb was built.
The stones aren’t of the same set nor quality
of the carved work that surrounds them -
if anything, they resemble the grade of common
rock we saw in great quantities on the trip
here.
Which makes it feel all the more like someone
hauled them in and deliberately covered this
passage.
But then why not decorate them in the same
ornate manner as the rest of the stone in
this place?
Lysander wouldn’t hear a word of what I
had to say - to him, it was a quake some
time in the history of the tomb, and that
was it, shut up and move on.
So I shut up, and got back to work.
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<3〜5日目>
どうやら、俺はあまりにも慌てて昨日の日記を書いたらしいな・・・。
この古代遺跡は全ての秘密を俺達に置け渡す気は、これっぽっちもないらしい。
確かに墓の内部への道は開かれたさ。 ・・・だが、最初の部屋から奥の部屋へと続く全ての通路が、またもや瓦礫の山でもって埋まっているのがわかったんだ。
・・・奇妙な話なんだが、この瓦礫の山は、どうやっても地震やこの遺跡の骨組みの不安定さから生まれた物には見えない・・・。
悪態をつくようでなんなんだが、この石の山を見ていると、まるでどっかの誰かがこの墓ができた時にわざと積んでいったような、そんな風に思えてしまうんだ。
他人が聞いたら、「どこにそんな七面倒くさいことする奴がいるんだ?」って思うかもしれないが・・・
この石の成分は、この墓の周辺に転がっている岩とは明らかに構成が違っている・・・。
どちらかと言うと、俺達がパプアからここまで来る間に見かけた石にかなり似ているような・・・。
そんなことが、俺に「まるで誰かがこの石の山を運んできて、通路を通れないように塞いだ」といった感じを与えたのだった。
・・・でも、もしそうだとしても、この墓を作った奴らはなんでまたいちいち遠くから石を運んできて積み上げたんだ?
この墓を作った石のあまりがたっぷりと残っていたのに・・・。
それに、なんでまたそんなことをする必要が?
本当に解らない・・・。
俺はLysanderにこのことを話してみた。
他にもいくつか疑問に思っていたことがあったので、あいつの意見を仰いでみたのだ。
だが、あいつは俺の言うことなんかまるっきり聞いてくれてないようだった。
「大昔に地震があって、その間に地質が変わっただけだろう?」
あいつはぶっきらぼうにそれだけ言うと、黙って自分の仕事に戻っていた。
・・・ったく、気むずかしい爺さんだ!
・・・しょうがないから、俺もその後すぐに仕事に戻ることにした。
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Day 6
The camp was attacked last night by a pack
of, well, I don’t have a clue.
I’ve never seen the like of those beasts
anywhere.
Huge things, with fangs the size of your
forefinger, covered in hair and with the
strangest arched back I’ve ever seen. And
so many of them.
We were forced back into the Tomb for the
night, just to keep our hides on us.
And today Gathenwale practically orders us
all to move the entire exterior camp into
the Tomb.
Now, I don’t disagree that we’d be well
off to use the place as a point of fortification...
but I don’t like it one bit, in any case.
I don’t like the look of this place, nor
the sound of it.
The way the wind gets into the passageways,
whistling up the strangest noises.
Deep, sustained echoes of the wind, not so
much flute-like as... well, it sounds ridiculous.
In any case, we’ve set to work moving the
bulk of the exterior camp into the main antechamber,
so there’s no use moaning about it now.
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<6日目>
昨日の夜、俺達のキャンプは俺が今までに見たこともない猛獣どもの群に襲われた。
長いことレンジャーをしているが、あんな風な獣は今まで見たこともない。
その巨大さ、その人間の人差し指ほどもある爪の鋭さ、その全身を覆った弧状の体毛の頑健さたるや、俺どころか、ほとんどの人間が見たこともない代物だっただろう。
・・・奴らの襲撃から身を守るため、俺達は墓の中に避難することを余儀なくされた。
そして今日、Lysanderの爺さんは、ほとんど強制的に俺達の荷物を墓の内部へと運ばせている。
・・・確かに、あいつの意見はもっともだ。
あんな猛獣どもに再び襲われたら、今度こそ死者が出るかも知れない。
それに、俺は昨日の一件で墓が堅固な要塞としての役割をはたしてくれるということに気がついた。
ここなら、あの獣どもに襲われても安全だろう。
・・・だが、気にくわない。 理由ははっきりしないが、俺はここが嫌いだ。
なんだか嫌な感じがするその見かけも気にくわないが、特に嫌いなのはその音だ。
入り口から吹き込んだ風が地下通路をごうごうと音をたてて吹き抜ける・・・。
何度も何度も反響していくその音は、澄んだフルートの音とは似てもにつかない・・・
そう、まるで何者かの嘲笑のような、そんな音に聞こえるのだ。
・・・はぁ、ばかばかしい。
気のせいだ気のせい! ・・・・俺としたことが、ちょっとビビっちまったか?
とにかく、俺達は外に設営していたキャンプ一式を入り口の近くにある大きな部屋の中に運び込んだ。
・・・だから、ここではうなり声に怯えることもなく、安心して眠ることが出来るだろう。
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Day 7-10
I cannot stand this place, I cannot bear
it. I’ve got to get out.
Something evil lurks in this ancient place,
something best left alone.
I hear them, yet none of the others do. And
yet they must.
Hands, claws, scratching at stone, the awful
scratching and the piteous cries that sound
almost like laughter.
I can hear them above even the cracks of
the workmen’s picks, and at night they are
all I can hear.
And yet the others hear nothing.
We must leave this place, we must.
Three workers have gone missing - Tavara
expects they’ve abandoned us - and I count
them lucky if they have.
I don’t care what the others say, we must
leave this place.
We must do as those before and pile up the
stones, block all access to this primeval
crypt, seal it up again for all eternity.
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<7−10日目>
・・・だめだ・・・耐えられない。気が狂いそうだ・・・!
俺達は今すぐにここから出ていくべきなんだ!
ここには何か邪悪なものが潜んでいる! ・・・放っておくのが一番だったものが・・・・。
俺には聞こえる・・・ でも、他のみんなにはまだこの声は聞こえていないらしい。
でも、おそらくそのうち全員がこの声を聞くはめになるんだろうな・・・・。
石に刻まれた彫刻の手や爪が、激しく俺をあざ笑うかのような叫び声を上げている・・・・。
その手で俺の心をずたずたに引き裂こうとしている・・・
昼間、人夫達のつるはしの音の中でもかすかにそれは聞こえて来る!
そして夜には・・・ ありとあらゆる、様々な叫び声が、決して止むこともなく・・・・。
・・・まだ、俺以外には、誰も何も聞いていない。
俺達は今すぐにこの場所を離れるべきなんだ。 今すぐに!
今日、3人の男達が行方不明になった。
Tevera先生は奴らが俺達をほったらかして逃げ出したんだと思っているらしい。
・・・もしそうだったら、奴らはなんと運がいいことか。
もう誰がなんと言おうと構わず、みんなでここから逃げ出した方がいい!
俺達は再び石を運んできて、全ての通路の前に積み上げ、この墓を未来永劫封印するべきなんだ!
・・・・かつて、先人達がそうしたように・・・・
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Day 11-13
Lysander is gone, and two more workers with
him.
Good riddance to the first. He knows something.
He heard them too, I know he did - and yet
he scowled at me when I mentioned them.
I cannot stop the noise in my head, the scratching,
the clawing tears at my senses.
What is it? What does Lysander seek that
I can only turn from? Where has he gone?
The only answer to my questions comes as
laughter from behind the stones.
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<10−13日目>
Lysanderといっしょに、さらに2人の人夫達が失踪した。
・・・俺は、最初は一番うるさいやつをやっかい払いできて清々した、と思っていた。
だが・・・ 違った。 ・・・奴は何かを知っていたに違いない!
・・・奴も、あの声を聞いていたに違いない。
この前俺がこの『声』についての話題をみんなに漏らしたとき、奴が・・・憎しみのこもった目で俺のことをにらみつけていたことを思い出す。
俺の精神をずたずたに引き裂き、頭の中から追い出すことさえ不可能なこの声を、奴もまた確かに聞いていたのだ。
・・・一体、奴は何を知っていたんだ!
俺が逃げ出すしかなかった物に、Lysanderは何を見いだしていた!?
そして、奴はどこにいってしまったんだ!?
・・・俺の問いかけに対する答えはなかった。
ただ、背後の岩の影から、不気味な嘲笑が高らかに聞こえてくるだけだった・・・。
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Day 14-16
We are lost... we are lost... all is lost.
The dead are piled up at my feet.
Bergen and I somehow managed in the madness
to piece together a barricade, barring access
to the camp antechamber.
He knows as well as I that we cannot hold
it forever. The dead come.
They took Lysander before our eyes.
I pity the soul of even such a madman - no
one should die in such a manner. And yet
so many have.
We’re trapped here in this horror.
So many have died, and for what? What curse
have we stumbled upon?
I cannot bear it, the morning, wailing cries
of the dead. Poor Thomas, cut to pieces by
their blades.
We had only an hour to properly bury those
we could, before the undead legions struck
again.
I cannot go on... I cannot go on.
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<14−16日目>
終わりだ・・・ もう終わりだ・・・ 何もかも・・・
俺の足下には死体の山が積み重なっている。
俺と Bergen とで、この狂気の中でなんとかバリケードを作り上げた。
俺達のキャンプのある部屋への進入を防ぐためのバリケードを・・・・。
・・・俺も彼と同じく、このバリケードが永遠に保つモノではないということは解っている。 けれど。
死者達がやってきたんだ。 奴らは、俺達の目の前にLysanderを突きだした。
俺は奴の・・・ あの狂人の哀れな魂に同情したよ・・・・。
この悪夢の中では、誰もが永遠に死ぬことなど出来ない。
・・・そして・・・ たくさんの者達が、すでにその悪夢の中に捕らわれた。
俺達はこの恐怖の中に閉じこめられてしまったんだ!
・・・大勢の仲間が死んだ。 だが、一体何の為にだ!?
どんなとんでもない呪いが俺達の上に降りかかったっていうんだ!?
哀れな Thomas・・・ 優秀だったあいつも、あの亡霊の騎士達の剣でズタズタに切り刻まれて死んじまった。
・・・あいつが化け物どもに喰われることがないよう、おれは小一時間かけて出来る限り
丁寧に奴を葬ってやった。 ・・・亡霊達が俺達を追ってくる、その前に。
俺達はもう、進めない、戻れない・・・
もうだめだ・・・ もう、だめだ・・・
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Day 17-22
The fighting never ceases... the blood never
stops flowing, like a river through the bloated
corpses of the dead.
And yet there are still more. Always more,
with the red fire gleaming in their eyes.
My arm aches, I’ve taken to the sword as
my bow seems to do little goodlll the dull
ache in my arm... so many swings, cleaving
a mountain of decaying flesh.
And Thomas... he was there, in the thick
of it... Thomas was beside me... his face
cleaved in twain - and yet beside me, fighting
with us against the horde until he was cut
down once again.
And I swear I see him even now, there in
the dark corner of the antechamber, his eyes
flickering in the last dying embers of the
fire... and he stares at me, and a scream
fills the vault - whether his or mine, I
can no longer tell.
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<17−22日目>
戦闘は絶え間なく続いている・・・。
血が流れ止むことはなく、その量はまるで目の前の死体の山から赤い川が流れてきているようなものだ・・・。
そして、まだ赤い物がある。 俺の目の前の闇の奥に、無数の赤い光がちらちらと瞬いているのが見える・・・。
・・・奴らだ。
俺の弓はもう完全にぶっ壊れてしまったので、今では剣を持って戦っている。
奴らから奪ったぼろぼろのなまくら刀だが、おれは数え切れないほどそれを振り回し、おびただしい腐った肉の山を築いてきた。
そして Thomas ・・・ 彼は、そこにいた。 やつらの中に、そして俺のすぐ側にいた。
彼の顔はまっぷたつに切り裂かれていて、しかしまだ、死体どもの大群と一緒に再び切り倒されるまで、俺達に戦いを挑んで来た。
俺は確かに彼を埋めた。 ・・・なのに。
俺はまた、再び彼に会うのだろう。
次の間へ続く暗い通路のコーナーに、彼の死に際に残る炎のように赤い目が、俺を凝視しながら瞬いている・・・
地下室を満たす絶叫は、どれが俺ので、どれがあいつらの声なのか・・・
もう、わからない・・・
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Day 23
We no longer bury the dead.
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<23日目>
もう、死体を葬るのを、やめた。
END.
(翻訳して頂いたアレック さんに感謝致します)