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2008年05月05日

お米と日本人

2008年05月05日 15:01 | 知っ得情報

歴史で習った人も多いだろうが、元々日本人にとってお米は外来種で、縄文時代に中国などから九州に伝わり、次第に耕作地域が東進していった。作物としてのお米は弥生時代には水田耕作としてほぼ定着し、生産性の高さもあわせ日本人の食生活には欠かせない主食としての地位を獲得した。逆にお米の生産性の高さが(狩猟のために居住地域を移転しなくても済むため)、日本人の定住性を確立したともいえる。また、畑作と違い連作(毎年同じ場所に同じ植物を育てる事)が出来るのも、お米の特徴のひとつ。

時代を経るにつれてお米の生産技術はますます向上し、お米は大地の恵みや食糧としてだけではなく、国そのものの勢力の強弱や資産価値のものさしとしての価値も見出されるようになった。長い歴史の中で「土地=お米の収穫量」を巡ってさまざまな制度が施行されたり、江戸時代になっても税金の代わりに「年貢」を時の政府に納めることが求められたのが良い例だ。歴史系のシミュレーションゲームで、「金」と共に「お米」の項目が資産価値として登場するのを見た経験のある人は多いだろう。

また、お米作りには非常に長い時間(ほぼ年中)と手間を必要とする。お米作りの大変さは、同時に日本人の勤勉さや働く事の大切さを身に付けさせたとする考えもある。

昨今では農業離れの傾向に違わず、お米を作る農家の数は減少の一途をたどっている。高齢化や跡継ぎ問題などもあるが、お米そのものの需要が減り、価格が落ちて採算が取れない状態が増えているのも大きな要因。お米券やお米の株主優待を手にした際に、一度「日本人にとってお米って何なんだろう」という自問自答をするのも良いかもしれない。

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