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米公式サイト〜Team Comments
【Starr Long [2000/3/10] 】

2000年 3月 10日

みなさんこんにちは。

私達はUltima Online 2の掲示板を大変な興味を持って注目しており、UO2に対して多くの討論があったということは、控えめな表現かもしれません。そこにはMcFarlaneアクションフィギュアについての多くの興奮(による興奮、それは素晴らしい仕事だと確信する興奮を意味します)、そしてBritanniaの将来についての憶測があります。それを見ると、UO2の背景となる物語をどう広めるかのすぐれた方法になるであろう説明だと私は考えます。

私がOriginへと移りUltima Online 2のLead Designerという地位に恵まれたとき、有頂天になりました。多くのあなた達のように私は子供の頃からテーブルゲームをやっており、手に入るあらゆるコンピュータ用のRPGをほぼ全て遊びました。中でもUltimaシリーズは多くの場合、「悪者を倒し、レベルが上がり、死体からものを分捕り、金品を売りさばき、より大きな悪者を倒す」というジャンルとなる強い物語、ユーモア、知性、そして思考力をもたらしているため、それは常に私の心の特別な場所にありました。

私はまた、大規模な多人数ゲームとオンラインコミュニティを異常なほど愛し、過去10年間、様々なオンラインの事業に取り組んできました。自然科学とその様式のゲームである作品を熱烈に愛す人間として、絶え間ない世界(persistent world)であるゲーム性を大部分が占めるUltima Onlineというゲームへ追求するデザインを助力するものよりも、卓越した名誉などないのです。

ですからLeadという地位に任命されてから私は腰を据え、Ultima Onlineへとより厳しい目を向けて、大成功を収めることを確実にする努力を行いました。Ultima Onlineで最も印象に残っていることといえば、プレイヤーにより伝えられる物語の質と深さです。最高の物語は普通、プレイヤーによって伝えられるということが私の信念であり、CatskillsのOrc族、Kazolaの宿屋を取り巻くメロドラマ、あるいは驚くべきDivided Landsの反乱となるこの信念で、素晴らしいUOのコミュニティは数多くの再確認をしたのです。

Ultima Onlineは元来、自身の世界を築き、自身の文化を創造し、自身の物語を伝えるといった、最大限の自由をプレイヤー達へ与えると考えられていました。オンラインゲームの歴史でも全く前例のない素敵な務めを、あるいはプレイヤー達は果たしたのではないかと思います。この成功の最中でさえ、何人かのプレイヤーはより強力な物語でより方向性のための願いを表現しているのです。

ですからプレイヤー達が参加でき、影響する真に迫る物語をUltima Online 2へどう組み入れるかを解決しようと、私は熱心に取りかかりました。あなたが思うより、それは難しいのです: 物語というものは定義上一本道であり、前もって明確にされた結末を持ち、そして決まって一人の主人公を中心としています。私達はより大きい何かを、広範囲で制限のない何かを必要としました。その何かが、数百の英雄を生み出す可能性を持つのです。

私達は雄大さを必要としました。

この結論が下されてからは、何の対立が物語を動かすのかについて私達は話し合いました。最初に考えたものは、誰もが戦いたくなるであろう、悪くて卑劣な人間である悪者を取り入れることでした。これでは不充分に思えました。私の中にある物語の目標とは、背景、風土、そしてプレイヤー達が使え、対立することの出来る小説的な要素の準備が整った基となるものを提供することです。たった一人の悪役を入れるだけでは、あまりにも制限的なものになると感じました。また、それには終点が必要であるとも感じました。最も重要なことは、それでは相当単純化してしまうように感じ、そしてプレイヤー達がお互い対立し合う十分な理由になるとは言えないということでした。

私達は政治という観念に、手を付け出しました。政治というものは多大な可能性を秘めますが、私の頭にあるものと比べても、いまいち十分に雄大なものではありませんでした。すすけた部屋で輸入物のワインを片手に2人の男がオーダー対カオスを論じることは偉大な学識を促進させはしますが、それであなたのオンライン生活にどんな影響を与えるのでしょうか? 私達は、より大きい何かを必要としました。

戦争よりも大きく、そしてより雄大なものとは何でしょうか? それは単なる戦争ではなく、雄大な聖戦(Grand Crusade)です。この調和の衝突は、大きな奥行きとプレイヤーが作り上げる性格を与えます。それは闘士、英雄、そして悪党に、自然な役を提供します。それは予期しない襲撃で都市が陥落するような、有意義なイベントの強力な手段を提供します。それは他の居住者達に興味深い背景を描写し、まさにその本質は奥深い哲学的な討論と役割を演ずる可能性をも提供します。忠誠の限界。必然性と戦争犯罪との境界線。潜入のパラノイア。壊滅した敵への哀れみ。信頼の限界。1つの衝突で、数百もの物語の可能性を提供します - そして、数百のあなた達がその物語を伝えることが出来るよう、私達は余地を必要とします。

問題といえばもちろん、両サイドが必要であることでした。尊ぶべきLord Britishを打ち倒す試みをし、今まで誰も聞いたことのないどこからともなく現れたJhelomにいる、成り上がりのとある公爵を私達が単に主張をしても、誰もが信頼するとは思いません。また、もしその衝突が単なる土地の奪い合いだとしたら、プレイヤーが参加せずに見守ることのできる、平和なものとなってしまいます。私達は、さらに何かを大きくする必要がありました - 単なる善悪や正誤ではなく、心底深く、有意義な何かのある両サイドの戦いです。

そこで、科学技術を登場させたのです。科学技術は視覚的に注目でき、さらに独特な何かを提供します。それはBritaniaという世界を完全に破壊することなしに影響を与えられる、目に見える変化なのです。それは悪に染まらず魔法に対抗でき、さらにBritannia人の知る生活様式に対する脅威を与えることの出来る何かなのです。それはUltimaの徳を探求する、興味深い新たな脈絡を提供します。それは得体の知れない恐怖を招き、他の者にとっては明るい未来という期待を持たせます。そして最も重要なことに、それは魔法の相手に相応しいものなのです。

魔法の力を評価し、均衡の取れたBritanniaは、科学技術の力に対し奮起します。

それは、良いものへなろうとしています。

Damion Schubert
Ubiq
Lead Designer, UO2
2000年 3月 2日



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Translated by Kusa,shiro3,Himajin
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