総合資料館

米公式サイト〜Team Comments
【Jeffrey Anderson [2000/6/30] 】

2000年 6月 30日

「とにかく、Ultima Onlineって何なの?」

このプロジェクトにおけるExecutive Producerとして、そういった質問を数多く受けることはそう驚くものではありません。何人かは、そのゲームが真のUltimaとなるのかを知りたいのです -- それ以外の人でも、「MMPRPG」というものが何であるのかを知りたいのです。様々な方法で、大体は質問を尋ねる人により変わってきます… それでもなお、それに返答しようとしたり、私が偽りなく考えるOriginの洞察を示すことは、価値のあるものだと考えました。私にとってそれは、ゲームの裏に隠された私の(ヴィジョン)を、あなたと分かち合うことなのです。(でも、はっきりと説明させていただく前に。「私の夢」と発言するときはいつも、このプロジェクトに対しての個人的な考え、ということを意図しています。もちろん、ゲームの「夢」を創造するのには役立ちませんし、そうすることもできません -- それはStarrやDamion、それに他の多くの人達との共同作業だったし、毎日のように洗練されつづけているからです。)

そのことを念頭において、始めさせてください。

Originの夢を話し始めるのに正しい位置はというと、それは初期のころ - あなたの幼年期です。本当の素晴らしいゲーム性は、単純な幼年期の遊びを基にしたものだとつくづく私は思います。三目並べであろうが、縄跳びであろうが、基本的で純粋な楽しみの真髄は、私達大人の心を揺さぶるものなのです。

あなたは、「カウボーイとインディアン」で遊んだことはありますか? あるいはたぶん、「泥棒ごっこ」だったかもしれません。それは一体何が、愉快で楽しい体験にさせたのでしょうか? その根拠においてのそれら基本的な遊びの様式は、いたって単純な相互関係のある役割を演じること(ロールプレイング)を支えとするものなのです。Originはロールプレイングの体験ですので、子供2人でできる単純なゲーム1を考察してみましょう。その子供達が遊び始めるときに一番初めにすることといえは、チームを分けることです(例えば、「僕が警官になるから、君は泥棒だ。」)。その選択を際立たせるため、たまに子供達は扮装をしたり、もしかしたら、銃として使える曲がった小枝をとってくるかもしれません。その行動は、(ゲーム企業にいる)私達が、基本的な「キャラクタの創造(クリエイション)」と呼んでいるものです。それは明白に思えることかもしれませんが、ロールプレイングは、キャラクタの創造を無くしてはありえません。この「仮想人格(ヴァーチャル・アイデンティティ)」は、ロールプレイをする上での大原則であり、Originの思い描く夢である基本概念の1つだと私は考えています。

そのまま同じ例えを用いますが、1度子供達が自身の仮想人格を選ぶと、彼らはある種の物語を演じ通します(例えば、「よし。君は今、銀行強盗をしてきたばかりで、僕は君を見つけ出そうとしていることにしよう。」)。それらの物語とキャラクタは、それに関する舞台設定にされているため、ロールプレイングゲームにとってきわめて重要なものなのです。その物語の存在により筋が決められ、目標、そして目的を作らせ、そしてみんなが役割を演じられる環境が作られます。その環境が彼らの活動、そして行動への識見にきちんとした前後関係を与えます。例えば子供達の遊びを観察したとすると、彼らはとても精巧な物語を作り上げることにあなたは気づくことでしょう。夢を抱く人々。誰も見たことのない場所。子供達は、神秘的な世界へと心を馳せるのです。その時彼らは英雄や悪役として、物語の中核へと自らの身を置くことでしょう。(それは小さな子供と同様、ゲーム内で「重要」だと感じる生まれながらにして私達が持っている欲求であるという、大変興味深いことなのです。もし誰かが王様だとしたら、誰も一介の農夫なんてやりたくはありません。)これはロールプレイをする上での第2の原則、あるいは、私はそれを「世界への没頭(ワールド・イマーション)」と呼んでいます。その世界は現実的な感触を必要とし、それは意味のあるものであり、そして、息づいたものであるとプレイヤー達へ感じさせねばなりません。

しかしながら多くの子供達は、世界への没頭を止めようとはしません。彼らは単に幻想的な世界を思い浮かべているだけではないのです。普通、(特に男の子は)数分もすれば、次の遊びの段階へと進めます - それは闘争です。ある子供達は、お互いが闘争を引き起こすよう決めると同時に、(仮想敵、地位、影響力などといった)外的勢力に逆らう衝突を心に思い描きます。いずれにしても多くの子供は、ある種の緊張が無ければ飽きてしまうことに気づき始めます。先ほどの子供を例に出せば、その緊張は泥棒を撃とうとする警官により生み出されます -- と同時に、泥棒も警官を撃とうと試みます(そうです、それがPKをすることの根源です)。言いかえると、一貫したロールプレイをすることに矛盾を無くし、妨害に反する原因を発展させたものなのです。私にとってこの「緊張の源(テンション・ソース)」は、ロールプレイをする上での第3の原則であるとみなしています。ゲームの機構的部分と照らし合わせれば、現代のコンピュータゲームでは日常的に行われていることです。

とはいっても緊張を必要とするものには、ひとつの例外があります。私はそれを「願望的な遊び(アスピレイショナル・プレイ)」と呼んでいます。ある子供達(時に女の子)は、闘争や勝ち負けに関係の無い違った様式の遊びに興味を引かれます。この様式の古典的な例といえば、それはお茶会です。この娯楽内では今まで通り集い、役割をとり入れ、そして華麗な物語を展開させています。しかしながら彼/彼女らは、争いの代わりに社交的活動を取り入れているのです。彼/彼女らは成人を装い、仕事や子供達のことについて雑談をします。願望的な遊びといった隠された目的とは事実上、覗き見的状態の外面的現れなのです(例えば、「僕は僕自身ではない、何者かなのだ。」)2

従って、これら4つの根本的な原則(仮想人格、世界への没頭、緊張の源、そして願望的な遊び)は、多くのロールプレイングゲームの基本概念だと私は思います。驚くことではありませんが、Originの夢はそれら4つの原則を包括し、実現します(前にあるStarrの製作者からの手紙に、より多くのことが触れられています)。Originでの世界は、進歩したキャラクタの創造とカスタマイズ性を通じて、プレイヤーが自身の外的人格を持てる1つの場所なのです。そのうえそのゲームは、十分な詳細、様々な違った体験の出来る幾層もの世界を所有しています。

残ったものといえば、私達がどうゲーム内で緊張を作り出すかです。緊張の源とは設計の真髄ですので、独自性と世界は形のある必須条件なのです。Originにとってその構想とは、単純な物語をあたり一面に作ることであり、それにより多くの微細な部分へと渦巻き、注ぎ込まれます。その核とは、Ultimaの由緒ある徳と恐怖間での激しい衝突です。長年の歴史と優秀な血統により、徳とは真実、愛、そして勇気といった、途方もない徳義の本質的な価値を称えています。その全てに反し、相殺されるものが恐怖であり、反徳というシステムなのです。恐怖とは、人という存在に悪意を生じさせる脅迫的な面ということです。残念ながら、これら強力な勢力(そして魔法や科学技術のような多くのほかのもの)の正確な詳細は、ここで触れたものとは全く完全に違っています!

その時が来るまで、役割を演じるということを忘れないでいてください。

Jeffrey Anderson
a.k.a. Knight
Executive Producer
Ultima Origin

-----------------------------------------------------

1UOやOriginといったゲームは「泥棒ごっこ」というより、砂場に似ているとある人は主張します。その点は理解できます - Originは制限の無い自由なものであり、プレイヤーがいいと思う道具を使って満足できるものでもあります。とはいえ、これら2つの環境でどう子供達が遊ぶのかについてあなたが考えたとき、彼らはとても違ったものだ、という結論に私は達しました。砂場での子供達はトラックを動かし、溝を掘ります。この遊びの機構は、トラックに「なる」子供は稀でしょう(し、人間のような動きをする擬人化されたものでもないです)から、真のロールプレイをするというよりも、C&Cに近いものなのです。

2成人向けである、主な2種類の願望的な娯楽を私は知っています: それは昼メロ、そして(Peopleのような)大衆向け雑誌です。大人達は覗き見的な欲求のために昼メロを見、雑誌を読んでいます。豊かで素敵な生活は自身のものよりも興奮でき、興味を引き、あるいは信じられないものなのです。彼らは、現実世界ではその人間に「なりたい」とは思わないでしょう(それは完全に、純粋な願望的娯楽に過ぎないからでしょう)が、身に覚えのある欲求として、そのキャラクタへ自身を投影するのです。(例えば、「あんな風に達者になれたらなぁ」など。)。




Origin, Ultima Online 2, Ultima Worlds Online: Origin, and the Ultima Online 2 logo are trademarks of Electronic Arts Inc. Game content and materials copyright 2000 Electronic Arts Inc. All rights reserved.
Translated by Kusa,shiro3,Himajin
(C)2001 UWNN